- 難聴って耳の聞こえない人でしょ?
- おじいちゃんやおばあちゃんで耳が遠くなっちゃった人でしょ?
あなたも難聴というとそんなイメージを持っていませんか?
実は難聴とは音が聞き取りづらい状態をいい、少しでも音が聞き取りづらかったらそれはもう難聴です。
特に日本人は難聴だと気付きにくく、もしかしたらあなたも気づかないうちに難聴になっているかもしれません。
これを読めばあなたも難聴についてよくわかるようになります。
難聴の概要
難聴とはそれ自体が病気ではなく、症状の1つです。
耳が聞こえづらい状態を難聴といい、聞こえづらさによって軽度、中度、高度、重度、ろうと別れています。
- 軽度 25dB〜45dB
- 中度 46dB〜70dB
- 高度 71dB〜95dB
- 重度 96dB〜115dB
- ろう まったく聞こえない
障害者手帳がもらえるのは高度難聴からとなり、軽度、中度の難聴は聞こえづらいにも関わらず特になにもありません。
難聴による障がい者手帳の基準については”難聴による障がい者認定はハードルが高い? 障害者手帳をもらう基準について“で説明しているので参考にしてください。
難聴の種類
難聴には症状による種類と原因による呼び方があります。
症状
- 伝音性難聴
- 感音声難聴
- 混合性難聴
これらは問題のある耳の部位によって変わります。
また、これ以外にもAPD(聴覚情報処理障害)というのもあり、海外ではAPDも難聴と同じように扱われることがほとんどです。
原因
- 騒音性難聴
- 加齢に伴う難聴
- 突発性難聴
- 先天性難聴など
これらは何によってその難聴が引き起こされているかによって変わります。
難聴の種類について聞こえないわけじゃない 難聴の種類とそれぞれの症状についてで詳しく解説しているので参考にしてください。
伝音性難聴とは
伝音性難聴は主に外耳から中耳に問題がある場合におこります。
音が小さく聞こえるのが特徴です。
難聴者の全体数でみると、伝音性難聴の人はそこまで多くありません。
伝音性難聴については”伝音性難聴の症状とは 音が小さく聞こえる難聴“で説明しているので参考にしてください。
感音性難聴とは
感音性難聴は中耳よりも先の神経系に問題がある場合に起こります。
音が歪んで聞こえるのが特徴です。
音が鳴っているのはわかるけど、なんと言ってるのかわからない。
どこから鳴っているのかわからないということが起こります。
感音性難聴については”感音性難聴の症状とは 音が歪んで聞き取りづらくなる難聴“で紹介しているので参考にしてください。
混合性難聴とは
混合性難聴は文字通り症状が混ざっている難聴で、伝音性と感音性の両方の症状が見られます。
特に高齢者で多いですね。
音は小さく聞こえるし、歪むしでなかなか話が通じません。
APDとは
APD(聴覚情報処理障害)とは音は問題なく聞き取れるのに言葉を認識することができない症状です。
音は普通に聞こえるので、聴力検査では異常は見られないので発見が難しいです。
日本ではほとんど認知されていない症状で、聴力検査は問題ないけど相手が何を言っているのかよくわからないという場合はAPDを疑ってみてください。
片耳と両耳の2パターンある
難聴は片耳だけが難聴になってしまうケースと両耳が難聴になってしまうケースの2パターンがあります。
通常は両耳ともに聴力が落ちてしまいますが、片耳だけ聴力が落ちてしまうこともあるのです。
そんな片耳だけ聴力が落ちてしまった状態を”一側難聴”と呼びます。
一側難聴については”一側難聴とは 片耳だけ難聴な状態“で説明しているので、ぜひ参考にしてください。
難聴の原因
難聴の原因は様々で一概にこの難聴はこれが原因です!とはいうことができません。
多く見られる原因は次の通りです。
- 騒音
- 加齢
- ストレス
- 先天的なもの
- 耳掃除
- 病気
これら原因について難聴の原因は様々 原因を知って難聴を予防しようという記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
難聴の主な症状
難聴の主な症状は言葉が聞き取りづらくなることです。
単純に小さく聞こえるようになることもあれば、音が歪んでしまい音は聞こえるけどなんと言っているかわからなくなってしまうこともあります。
また、耳鳴りを併発することも多いです。
音が聞き取りづらくなると日常生活のいろいろなシーンで問題が出てきます。
- 1対1の会話はいいが、複数人の会話になると聞き取りづらくなる
- テレビの音量が大きい
- 電話での会話がわかりにくい
- 家電の電子音に気付かない
難聴の自覚がなくても、これらに当てはまるようならあなたも難聴かもしれません。
難聴になったら困ること
実際に難聴になって音が聞き取りづらくなった場合、どのようなことに困るのでしょうか。
難聴になることで日常的に困ることはたくさんあります。
- 複数人での会話
- テレビの聞き取り
- お会計時のコミュニケーション等々
色々なところで困ることが起こります。
実際に難聴になることでどういうことに困るのか、そのイメージがつきやすいようにいろいろな場合の難聴になって困ることを耳が悪くなるとどうなるの? 難聴者が日常で困ることという記事でまとめているので参考にしてください。
難聴者のコミュニケーション
軽度や中度の難聴の場合は基本的に発話も可能なので音声によるコミュニケーションが一般的です。
高度でも補聴器や人工内耳を使うことで、会話でのコミュニケーションが可能な人も多いです。
ですが、重度の難聴やまるっきり聞こえないろうと呼ばれる人は声によるコミュニケーションをとることができません。
それではこういう方とコミュニケーションをとるためにはどうするかというと手話があります。
手話を全く知らないひとからするとジェスチャーのようなものだと思いがちですが、手話はれっきとした言語です。
そのため文法などもあり、手話を覚えるということは英語や中国語、韓国語を覚えるのとイコールです。
もちろん、通常音が聴こえている人が手話を話せることはあまり多くありません。
そのため、手話が使えない場合は筆談といった文字情報でコミュニケーションをとる必要があります。
手話については手話とは 耳が聞こえにくい人の言語であるという記事で紹介しているので、ぜひ手話に興味を持ってもらえたらと思います。
難聴の見つけ方
あなたも聴力テストをしたことがあるんじゃないでしょうか。
難聴を見つけるのは主にこの聴力検査からということになります。
聴力検査は2種類あります。
- 純音検査
- 語音聴力検査
あなたが普段健康診断などで行なっている聴力検査が純音検査です。
この検査以外にも、日常生活で難聴に気づくこともできます。
例えば体温計の音がいつ鳴ったかわからない
鳥の声が聞こえない
ということもあります。
赤ちゃんの場合は産まれてすぐに新生児スクリーニングという耳が聞こえているかどうかを判断する検査を行います。
難聴の治療法
よく耳が良くなる!みたいな本が本屋さんに売られていますが、基本的に難聴は治りません。
この手の本は、代謝が落ちて聞き取りづらくなっている人であれば有毛細胞がまだ生きていれば代謝をよくすることで良くなる可能性があるというレベルの話です。
例えば先天的な難聴の人が、この方法を試しても残念ながら良くなることはほとんど考えられません。
難聴の原因は様々で、ほとんどのケースでは難聴は治らないと思っておいてください。
難聴にならないように日頃から気をつけるのが1番です。
突発性難聴の場合には治療により聴力を戻すことが可能です。ただ、48時間を過ぎると元の聴力に戻らなくなってしまう可能性があります。
突発性難聴になってしまったら 聴力を戻すためにすることという記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
難聴を手助けする道具やサービス
難聴になってしまった場合、聞こえを補助してくれる道具がいくつかあります。
目が見えにくくなったときにメガネやコンタクトを使うのと同じですね。
- 補聴器
- 人工内耳
- 集音器
- ロジャー
- スピーカー
一般的にはこれらを使いますね。
それ以外にも音声を文字に変換してくれるソフトや、聴導犬もいます。
どんなものがあるのかはで難聴でも安心 聞こえやすくする道具やサービスについてという記事で紹介しているので参考にしてください。
難聴に伴うその他症状
難聴は耳が聞こえにくくなる以外にも症状が出ることがあります。
- 耳鳴り
- 聴覚過敏
難聴による耳鳴り
難聴で耳鳴りが併発する場合、難聴がよくなれば耳鳴りもよくなりますが、基本的に難聴は治らないので耳鳴りも良くならないケースがほとんどです。
そういう場合、耳鳴りと長く付き合っていくことになります。
耳鳴り自体をなくすことはむずかしいですが、耳鳴りを軽くすることはできます。
耳鳴りに関して、知識が浅いと不安やストレスが大きくなり、耳鳴りを悪化させるという悪循環を生みます。
あわせて耳鳴りとは 脳が作り出している聞こえないはずの音で耳鳴りについて知識を深めましょう。
音に敏感に反応する聴覚過敏
また、耳鳴り以外にも聴覚過敏という症状があります。
聴覚過敏とはある特定の音、特に高い音に過剰に反応して頭痛などの症状を引き起こすものです。
決して小さい音でも聞き取れるようになるというようなものではありません。
耳鳴り同様にストレスや不安が大きくなります。
音が頭で響いてしまう 聴覚過敏の原因と対処法で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
難聴の遺伝
難聴は親から遺伝するよりも圧倒的に遺伝子の変異によって突発的に難聴になってしまうことが多いです。
例えば親の難聴が陰性の範囲だった場合、両親が2人とも同じ遺伝子に変異が見られないと子供には遺伝しません。
先天的な難聴は誰しもがなり得て、親が難聴だから子供も必ず難聴になるということはないと覚えておいてください。
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