耳が聞こえないろう者や高度〜重度難聴の人が扱う言語が手話です。
といっても手話は言語なので、普通に耳が聞こえる人が使ってもなんにも違和感はありません。
手話は日本語をジェスチャーにして表現しているわけではなく、それ自体が言語になります。
そのため、手話ができるということは英語や中国語を話せるのと同じということになります。
なかなか手話について理解している人は多くないのが現状です。
そのため、手話とはどんなものなのか一緒に確認していきましょう。
手話は言語でジェスチャーではない
手話とは難聴者やろう者が話す言語で、彼らは独自の言語を話しているということになります。
もちろん手話は言語なので、目で見て会話の内容を理解していますが脳の機能もちゃんと言語野が活発に働きます。
指文字を使うこともあるので、点字のように文字を表しているような記号という認識の人も多いと思いますが、そういうものではありません。
そもそも別の言語として存在しています。
手話は言語なので、日本語や英語のように文法がちゃんとあります。
手話を勉強しよう!と思い立つと英語の勉強でもそうですが単語を覚えることが先行してしまいますが、文法もしっかり勉強しないとコミュニケーションツールとしては不十分になってしまいます。
国によって手話も違う
通常より日本で使われている手話は日本手話と呼ばれ、日本でしか通じません。
もちろん他の国にも日本手話のように独自の手話があります。
アメリカであればアメリカ手話というものがあるわけですね。
声に出して使う言語の場合、英語が世界共通語ですが、手話も国際手話というものがあります。
そのため、手話の話者が同じ手話を使う人同士であっても話しが通じないことはあります。
また、日本手話でも方言があり、関東と関西で違う手話を使うこともあります。
ジェスチャーやパントマイムとの違い
手話は言語なので、色々な概念を表現することができます。
ジェスチャーではあるものを表現するためにはそれを連想させるポーズをとるしかありません。
手話では手の形や位置、動きによって色々な表現をすることができます。
音声言語では音がその要素となります。
例えば日本語の場合は子音と母音の組み合わせで20個ぐらいの要素で出来ています。
手話はこの音という要素の代わりに、手の形、位置、動きで表現されるということですね。
手話のオノマトペ
オノマトペとは擬音語や擬態語のことです。
例えばワンワンとかヒラヒラとかいう表現ですね。
手話では具体的なものの表現しかできないと思われがちですが、決してそんなことはなくオノマトペと同じものがちゃんと存在します。
ここからも手話が言語だということがわかりますね。
手話と日本語では意味合いが異なる
手話は日本語とは違う言語です。
そのため、意味も日本語とは違ってきます。
たとえば英語の”maybe”も”perhaps”もどちらも日本語では”たぶん”です。
ですが日本語での”たぶん”とはどちらも意味合いが違うわけですよね。
このように英語をいちいち日本語に置き換えようとすると意味のズレというのが起こります。
例えば”悪くない”というと普通に日本語を話している人からすると、まぁギリ合格かそれより少しいいぐらいな感覚だと思います。
それに対してろうの人たちからすると”悪くない”は最高の褒め言葉になります。
このように意味合いそのものが変わってしまうものもあれば、ニュアンスが変わってしまうものもあり、手話をそのまま日本語に翻訳することはナンセンスです。
英語の文章を翻訳ソフトにかけてわけわからない日本語になるのも、英語と日本語がイコールにならないからですよね。
手話でもこれと全く同じことが起こります。
ほとんどのろう学校では手話を教わらない
聾学校のほとんどで手話は取り入れられていません。
それは聾学校では音声言語の獲得がメインにあるからです。
そのため聾学校の先生でも手話ができないという人もいます。
最近は手話を使ってはいけません!みたいなところは減っていますが、手話を禁止しているような学校もありました。
音がしっかりと聞き取れない状況で音声言語を学ぶことは相当ハードルが高いというかほとんど不可能です。
口の動きだけをみて、ヒントとなる音がほとんど聞こえない、もしくは全く聞こえない状態で日本語を理解しようとする。
これはもういじめに近いですよね。
音声言語が理解できるに越したことはありませんが、手話だって立派な言語です。
昔からの変なしがらみに囚われず、手話を使ってたくさんコミュニケーションをとっていきたいですね。
聾学校では手話ができない人もいます。
ですが、やはり手話を覚えるなら手話ネイティブがいる環境が一番です。手話を覚えるならネイティブを参考にしようで手話の学習について触れていますので、ぜひ参考にしてください。
固有名詞は指文字が使える
手話は言語なので、物事を手の動きで表現します。
それに対して、一般的ではない例えば人の名前などを手話で表現するのは大変です。
場所などは手話で表現できたりしますけどね。
そこで活用されるのが指文字です。
昔は手話とは別物で考えられていましたが、今は手話の一部のように扱われていて指の形で五十音を表すことができます。
そのため、名前などの固有名詞を表すのに適しています。
もちろん手話と同じように、指文字をお互いに知らないとまったく通じません。
そのためお互いに指文字についても勉強するひつようがあります。
指文字については”指文字とは 仮名を指で表す手話の一部“で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
手話を使ったサービス
誰でもいきなりすぐに手話が話せるようになるわけではありません。
例えば明日があなたが急に英語が話せるようになるなんてことはありませんよね。
たとえば自分が英語が話せなくても、英語の文章を書かなければいけないとかっていうシーンはありますよね。
そういう場合、翻訳機を使ったり現地に行く場合は通訳を雇ったりといろいろな方法でどうにかすると思います。
手話にも手話通訳などのサービスがあるので、もし自分がすぐに手話が使えなくてそういったサービスを利用することで、難聴者や聾者とコミュニケーションをとることが可能です。
そんな手話を使ったサービスについて手話を使ったサービスや手話通訳のサービスについてという記事で紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。
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