APDとは音は聞こえているのに相手の言っていることが理解できないという症状で、難聴の一種とされています。
そんなAPDを引き起こす要因もいくつかあり、その中でも特に認知的な偏り(注意力と記憶力)が原因で起こるAPDについて詳しく見ていきたいと思います。
APDの原因については大人のAPDは4タイプ それぞれのタイプについてで詳しく紹介しているので参考にしてください。
注意力と記憶力が聞き取りには必要
注意力と記憶力が話を聞く能力にどんな関わりがあるのよ?と思う人も多いですよね。
相手の話を理解する上で集中力と記憶力はとても重要です。
こちらの記事でも紹介していますが、私たちは人と話をする時に次のようなプロセスを無意識に行なっています。
相手の話を聞く
↓
一時的に相手の話を記憶する
↓
記憶した内容から話の内容を理解する
↓
話す内容を決める
↓
口に出して話す
↓
上に戻る
このように相手が話している内容を聞いて、一度短期的に記憶することで話の内容を理解していきます。
そのため、注意力と記憶力は会話をする上で必要な能力なんですね。
会話の聞き取りについて音が聞こえるだけでは理解できない 会話を聴きとるための5つの要素とはという記事で詳しく紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
注意力がないとどうなるのか
注意力がないと相手の話の内容を集中して聞くことができません。
相手と話をする時に周りが図書館のように静かで、もう相手と自分の話し声ぐらいしか聞こえてこないという場合には問題ありません。
ですが日常には色々な音が溢れています。
相手と話をしていて、何か音が聞こえると注意がそちらに向いてしまい相手の話の内容を聞き漏らしてしまいます。
そうすると話の内容がわからなくなってしまいますよね。
このように注意力がないと、相手の話を集中して聞くことができません。
その結果、話の内容を理解できません。
記憶力がないとどうなるのか
記憶と一口に行っても短期記憶と長期記憶の2つがあって、大体記憶力が〜という話をする場合は長期記憶の話題が多いですよね。
ここでいう記憶力とは短期記憶を指します。
私たちは会話をするときに相手の話している内容を短期記憶に一時的に記憶します。
この一時的に記憶するのをワーキングメモリとよびますが、このワーキングメモリの容量が小さい人がいるわけですね。
そうすると保存しておける量が少ないので、話の流れが途中でわからなくなってしまったり、そもそも相手の言っていることが理解できなかったりといった問題が生じます。
認知的な偏りタイプの対処法
注意力が影響している場合、相手に少し大きめの声で話してもらうといった対処をしてもらったり、なるべく雑音が少ない環境で働けるような環境に変えるといったことが必要になります。
もちろんすぐに環境が変えられるとは限りません。
そのため、まずは自分でしっかりと注意できるように意識するだけでも聞き取りが改善したりします。
記憶力が影響している場合、記憶スキルを身につけると言う方法があります。
例えば記憶力の良い人というのはチャンク化と呼ばれる情報のグループ分けやイメージ化と呼ばれる数字を語呂合わせで覚えるような方法を使って意味を持たせ記憶しています。
こういう記憶スキルを身につけることで、記憶力の向上が期待できます。
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