「健康診断では異常がなかったけれど、最近聞き返すことが増えた」「子どもの聞こえが気になる」「聴力検査にはどんな種類があるの?」
聴力検査と聞くと、「ピー」という音が聞こえたらボタンを押す検査をイメージする人が多いかもしれません。しかし、実際には聴力検査にはさまざまな種類があり、健康診断で行われる検査だけでは言葉の聞き取り能力まではわからないことがあります。
この記事では、聴力検査の種類やそれぞれの特徴、健康診断との違い、子どもの聴力検査についてわかりやすく解説します。聞こえに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
聴力検査とは
聴力検査では文字通り、音が問題なく聞こえているかを確認する検査です。
聴力検査を定期的に行うことで、聞こえが悪化しているかどうかをチェックすることができます。
特に聴力は加齢などにより、ゆっくり低下することから気づきにくいです。
最近聞き取りにくいなと気づいた時には難聴がだいぶ進行していた!なんてこともあります。
また難聴にはいくつか種類があり、それぞれ症状が違います。
そのため、難聴の種類や聞こえにくさの特徴を調べるためにも聴力検査は役立ちます。
難聴について詳しく紹介している記事があるので、ぜひご覧ください。
聴力検査でわかること
聴力検査では主に次のことがわかります。
- 聞こえの程度
- 難聴の種類
- 言葉の聞き取り
特に聞こえの程度がわかると、日常生活に支障をきたすレベルかどうかなどがわかります。
代表的な聴力検査の種類
聴力検査にはいくつか種類があります。
- 純音検査
- 語音弁別検査
- 新生児聴覚スクリーニング
- OAE
- ABR
- ティンパノメトリー
などです。
純音検査

純音検査は”ピー”という音を聞いて、聞こえている間はボタンを押すという1番一般的な検査です。
健康診断などでもやるので、ほとんどの人が経験したことあると思います。
純音検査はスマートフォンのアプリなんかでもできるので、参考程度にやってみるのもいいですね。
純音検査アプリについて紹介した記事もあるので、ぜひご覧ください。
語音弁別検査
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、語音弁別検査という聴力検査があります。
これは”あ”とか”に”といった、一文字分の音を聞いて、なんと言ったかを聞き取る検査です。
これに何の意味があるんだと思うかもしれませんが、難聴には音が小さく聞こえるだけではなく、正しく音が伝わらないという種類の難聴があります。
たとえば”た”を”る”と回答したりします。
補聴器の調整だったり、どのように聞こえているかを確認するときに使われる検査ですね。
語音弁別検査について詳しく解説した記事があるので、ぜひご覧ください。
新生児聴覚スクリーニング
こちらは文字通り、赤ちゃんが産まれて数日後に行われる検査です。
新生児聴覚スクリーニングにはABRとOAEという2つの検査があり、赤ちゃんがちゃんと音が聞こえているかをチェックすることができます。
新生児聴覚スクリーニンについて詳しく解説した記事があるので、ぜひご覧ください。
OAE
OAEとは耳音響放射と呼ばれる検査です。
音は外耳→中耳→内耳と通っていき、外有毛細胞という毛の細胞を揺らします。すると毛が揺れることで電気信号が発生して脳に音として伝わります。
OAEはこの外有毛細胞が揺れるときに生じる音の反射検知して、音が聞こえているなと判断する検査です。
ABR
ABRは聴性脳幹反応と呼ばれる検査です。これは音を聞いたときに脳が反応するかを確認して音が聞こえているかを検査します。
たとえば神経系に異常がある場合にはOAEでは正常でもABRで引っかかる場合があります。
ティンパノメトリー
ティンパノメトリーは耳の中の中耳という部分の状態を調べる検査です。
中耳には鼓膜や耳小骨という骨があり、たとえば中耳に水が溜まっていないか、鼓膜に穴が空いてないかといったことを調べることができます。
聴力検査の結果の見方
主に純音検査の結果の見方になりますが、純音検査で”ピー”と音を鳴らしてくれる機械をオージオメーターと呼びます。
日本だとほとんどリオン社製ですかね。
それで、結果はオージオグラムというグラフで表示されます。

縦軸がdB(デシベル)で音の大きさを、横軸がHz(ヘルツ)で音の高さを表します。
左右の耳に対して、各周波数の音が何dBで聞こえたかというところに印がつけられて、それを線でつないでいきます。
周波数は低いほど低い音、高いほど高い音になります。
この結果によって重症度が決まり、25-45dBを軽度、46-70dBを中度、71-95dBを高度、96-115dBを重度難聴としています。
116dB以上は聴こえない”ろう”とよばれます。
子どもの聴力検査
純音検査や語音弁別検査はある程度成長して、ルールにそって検査を受けられる必要があります。
ですが、子どもはじっとしていられないし、指示も聞けない。ましてや字もかけないという年齢の子もいます。そこで、子ども向けの聴力検査もあります。
- BOA
- COR
- VRA
- 遊戯聴力検査
というものがあります。
BOA(聴性行動反応聴力検査)
BOAとは歌手ではなく、Behavioral Observation Audiometryの略で日本語だと聴性行動聴力検査と呼ばれます。
主に生後0-6ヶ月の乳児を対象とした検査です。
この月齢の子は当然音が聞こえたらボタンを押すなんていう高度なスキルは身につけていません。
そのため、大きな音がしたらビクッとなるみたいな、音による体の反応をみて聴力を検査する方法です。
COR(条件詮索反応聴力検査)
CORはConditioned Orientation Responseの略で、日本語だと条件詮索反応聴力検査と呼ばれます。
CORはBOAを少し高度な反応をみる検査で、1歳から2歳ぐらいの子に使われる検査です。
音が聞こえたほうに振り向く反応を利用します。
たとえば左右にスピーカーを用意して、どちらかから音を流します。
するとそちらに振り向きますが、向いた先におもちゃや好きな映像が流れるようにしておきます。
そうすると、音がなる→みる→報酬となり、この反応を利用してどこまで小さい音まで聞こえているかを検査します。
VRA 視覚強化式聴力検査
VRA はVisual Reinforcement Audiometryの略で、日本語だと視覚強化式聴力検査と呼びます。
聴力検査なのに視覚強化式ってどういうこっちゃ!となると思います。
VRAも音がなる方をみるとおもちゃや映像が流れて、目で見て楽しいから検査が成り立つという検査です。
だいたい6ヶ月から2歳半ぐらいまでが対象となります。
CORと何が違うんですか?というとほとんど同じです。
海外ではCORはVRAの一部とみなすところもあります。
遊戯聴力検査
遊戯聴力検査はその名の通り遊びのなかに聴力検査を取り入れた手法です。
たとえば後が聞こえたら積み木を積めるとかビー玉を取るといったことができるようになるという条件付けをして聴力を確認する方法です。
聴力検査は痛い?費用は?
聴力検査は基本的に音を聞いて、その反応をみたり、実際にどのように聞こえているかを確認します。そのため、どの検査も痛みはありません。
所要時間も新生児聴覚スクリーニンはすぐに終わりますし、純音検査も健康診断レベルであれば5分程度で終わります。
耳鼻科で受ける低い周波数から高い周波数までしっかり見る場合は多少時間がかかりますが、それでも何時間もかかることはありません。
語音弁別検査が1番時間がかかり、かつストレスが溜まります。それでも何時間も拘束されるようなことはなく、1時間以内で終わります。
費用はどの検査を受けるかにもよりますが、保険が適用されて、1000円から2000円程度です。これに関しては実際に受診する病院に問い合わせしてみてください。
聴力検査で異常があった場合
たとえば健康診断などの聴力検査で異常があった場合は、より精密な検査を受けることをおすすめします。
軽度の難聴では日本で生活している場合、あまり日常生活に支障をきたすことが少なく見過ごされるケースがあります。
ただ、会議で周りの人が何を言っているのか聞き逃したり、大勢集まってガヤガヤ話している時には会話についていけないということが起こることもあります。
このレベルだと補聴器ではなく集音器でも聞こえの改善ができたりします。
中度か以上の重症度になると補聴器の装用を検討すべきです。
自分は気にしていなくても、周りの人が少し大きい声で話しかけてくれたり、テレビの音量が大きくなってうるさく感じている可能性も高いです。
耳鼻科でしっかりと相談しましょう。
よくある質問
聴力検査は痛いですか?
聴力検査に痛みはありません。
聴力検査は何分かかりますか?
検査の種類にもよりますが、数分から数十分で終わります。
聴力検査で難聴はわかりますか?
純音検査でどの程度聞き取りづらくなっているかがわかります。
聴力検査の結果はすぐにわかりますか?
聴力検査の結果は当日すぐに分かります。
ABR検査とOAE検査の違いはなんですか?
ABR検査は音を聞いたときに脳が正しく反応しているかをみる検査です。OAE検査は音を感じる外有毛細胞が正しく機能しているかをみる検査です。
子どもはいつから聴力検査ができますか?
新生児聴覚スクリーニン以降だとおよそ6ヶ月頃からできる聴力検査があります。
まとめ
聴力検査には、健康診断で行われる純音聴力検査だけでなく、言葉の聞き取りを調べる語音聴力検査や、乳幼児向けのABR・OAEなどさまざまな種類があります。
特に「音は聞こえるけれど、何を言っているかわからない」という場合は、純音聴力検査だけでは十分に評価できないこともあります。
「純音聴力検査で異常がなくても、『言葉が聞き取りにくい』『騒がしい場所で会話が難しい』という症状がある場合は、語音聴力検査やABRなど追加の検査が必要になることがあります。」
聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻科を受診し、自分に合った聴力検査を受けることが大切です。耳ログでは、各検査の詳しい内容や難聴に関する情報も紹介していますので、気になる記事があればぜひあわせてご覧ください。



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