言語の習得には耳で聴くということがとても重要になります。
その点、難聴者の英語学習は今のところ有効な学習法が確立されていません。
難聴だと英単語を覚えるだけでも一苦労なのです。
目で見えるんだからスペルを覚えれば単語は覚えられるだろう
そう思いますよね?
ですが、実際はFebruary (2月)をFriday (金曜日)と覚えてしまったりと、単語を覚えるだけでも一苦労なのです。
その1番の原因は、音と文字が一致していないから。
単語を覚える上でも、音は非常に重要な役割をします。
また、仮名とローマ字の違いが難聴者の英語学習を難しくしています。
難聴の学級でも、聞き取りやすいスピーカーを使うなど、聞こえる環境を整備してあげる必要があると思います。
全員が全員、これらのスピーカーやロジャーなどをつかって英語を音で聞き取ることができるようにはならないと思います。
ですが、なるべく音で聞き取れる環境も整えてあげて、子供の可能性を広げられるようにしてあげたいですよね。
聞こえやすくなるスピーカーはcomuoonやミライスピーカーなどがあります。
ご家庭で使う場合は、金額的にもミライスピーカーホームあたりがおすすめですかね。
対面業務に最適な人の声を聞こえやすくするcomuoonや補聴器がなくても音が聞こえる ミライスピーカーという記事で紹介しています。
難聴児の英語学習では聞こえる環境の整備をする必要がある
私たちゆとり世代は、中学校から英語を勉強し始めました。
私は学生時代、超絶英語嫌いだったので全然テストでも点を取ることができませんでした。
そんな私が今は外資系企業で働き、海外駐在までしているんだから皮肉なものです。
おかげで英語にはとても苦労しました。
英語なんて使わないし!
とか思ってる人は、残念ながらそんなことないので諦めて英語の勉強をしましょう。
おっと、話が逸れてしまいましたね!
今は小学校から英語の勉強をしますよね。
小学校での英語学習は、【聴く】と【話す】がメインで、詳しい文法などは中学から学習します。
【聴く】と【話す】を小学校時代に慣らして、中学からの文法で体系的な話を理解しやすくするということなんでしょうね。
ただ難聴だと、この【聴く】と【話す】が出来ないので、中学に上がった段階ですでに英語嫌いな子が多いです。
難聴児が特に難しいのが、発音とスペリングです。
発音が難しいのはイメージでもわかると思いますが、実はスペリングも苦手です。
このスペリングも音がとても綿密に関係しています。
そこで、聴こえの教室などではcomuoonやミライスピーカーといった、難聴者でも聞き取りやすいスピーカーなどを導入して、聞き取りやすい環境を作ってあげるべきです。
できれば吸音材なども使って、反響しにくくしてあげるとなおいいですけど。
実際comuoonを発売しているUniversal Sound Design(株)は難聴児向けに【comuoon school】という英語と数学の塾を開講しています。
英語嫌いな難聴の子供は多いですが、環境の問題があると思います。
少しでも学習しやすい環境を整えてあげることで、難聴でも英語力はつけることができます!
実際、難聴学級に聞き取りやすいスピーカーがあって、英語の勉強などがしやすかったからここで勉強したいと、わざわざ引っ越して中学校を転校した子もいます。
難聴児でも英単語は発音とセットで覚える必要がある
難聴だと発音が難しいのはわかりますが、スペリングも苦手となります。
なぜ、音が聞き取りづらいとスペリングも苦手になってしまうのでしょうか。
理由は英語の場合、音と文字がセットになっていないからです。
ピンとこないですよね~わかります。
これについては日本人だから仕方ない!
実際、難聴の学生の英語学習について調査した論文では、発音ができない単語を覚えている割合はたったの27%でした。
発音できる単語の正答率が80%以上だったので、いかに発音と単語が結びついているかがわかりますね。
今の難聴学級では英語学習のときにはカタカナ読み+発音記号で単語の読み方を補っています。
私たちが学生の時って、発音記号なんてあまり意識していなかったんじゃないですか?
ですが、難聴の子たちはこの発音記号とカタカナによって聞こえない分を補っています。
覚えることがたくさんあるという難聴の子の英語嫌いになる理由はこういうところからも来ているんだと思います。
単語が読めることが英語ができるようになるには必要で、これは健聴者も難聴者も同じです。
聴こえないことで、この読むということのハードルが上がってしまい、単語が覚えられないのです。
仮名は名前=音だが、ローマ字は名前≠音
英語の場合、音と文字がセットになっていないということですが、それはどういうことなのでしょうか。
仮名の場合は名前=音なのに対して、英語の場合は名前≠音となります。
これでもピンとこないですよね~
例えば
「あ」って「あ」ですよね。
「え」って「え」ですね。
「あ」って発音してくださいっていったら「あ」ですよね。
なに当たり前のこと言ってんだって思いますよね。
わかります。
私も何言ってんだと思いますもの。
では
「a」って「エー」ですよね
「e」って「イー」ですよね。
でもこれって「a」と「e」って記号の名前ですよね。
「eat」を読んでください。って言ったら、ほとんどの人は「イート」って何気なく読めますよね。
なんで「イーエーティー」じゃないんですか?
それはアルファベットの場合、記号の名前と音が一致しないからですよね。
しかも厳密にはこれも「イート」ではありません。
カタカナで表記をするとこのような形になってしまいます。
そこで発音記号を用いることで、このカタカナ英語と実際の英語の音の誤差を減らす必要があります。
a boy って書いてあった場合の「a」は「ア」です。
でも「eat」の時の「a」の音は「ー」伸ばし棒の部分ですよね。
健聴者は聞くことによってこの違いを認識できますが、難聴だと発音記号からこの違いを学んでいくことになります。
I love it.
これをカタカナで表記すると アイラブイット
となりますが、リスニング問題でこれをアイラブイットと表現することはありません。
あえてカタカナで表記するとすれば「アイラビィッ」
でしょうか。
これをカタカナで音を覚えようとすると、この文章は「ラビット」と解答する子が多いと思います。
どうです?
めっちゃ難しくないですか?
英語が苦手な人ってこの辺りがわけわからなくなる人だと思うんですよ。
これって難聴だけじゃなくて、健聴者の英語学習にも使える部分だと思うんですよね。
私もわけわかんないですもん。
英語ネイティブの人たちも、すべての英単語を知っているわけではありません。
ですが、書かれていれば単語が読めるんですよね。
それは音を知っているから。
私たち日本人はこの音が身についてないので、単語が読めないんですよね。
そして読めないとその単語の意味だけ調べても、覚えられないですよね。
これが音と文字が一致していないから覚えられない原因です。
字列がそのまま音になることが英語ではほとんどありません。
私たちが思っているアルファベットは記号の名前でしかなく、音が別にあるという認識をしっかりとしないと難聴の子たちの英語学習、むしろ健聴者の英語学習もなかなか向上していかないでしょう。
聴覚障害児の英語嫌いは覚えることだらけだから
私も1日1個単語を覚えれば、1年後には365個も単語を覚えてるんだぞ!と海外のスタッフに言われてました。
でもこれができないんですよ。
めちゃめちゃ大変じゃないですか!?
もう尊敬ですよ!
そりゃ覚えることいっぱいだからいやだ!ってなりますよね。
英語嫌いの人なら良くわかるはず…。
そうしたら、子供たちの将来の選択肢は一気に広がっていくのです!
始めは私が好きで見ていたのですが、気づいたら妻の方がハマっていましたね。
親や先生であれば、是非子供の選択肢を増やせるような環境にしてあげてほしいですね。
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