音の大きさを表す単位をdB(デシベル)と呼びます。
このdBとはどのように定義されているのでしょう。
実はこのdBというのは人の感覚を考慮した音圧レベルを表しています。
音の大きさである音圧(dB)について詳しく見ていきましょう。
音の大きさを表す単位はいろいろある
dB(デシベル)は音の大きさをを表す単位だと言っておきながら、いきなり音の大きさを表す単位は色々ありますなんて何言ってるんだと思うと思います。
長さにメートルがあったり、マイルがあったり、ヤードがあったり、インチがあったりと音の大きさも単位は一つではありません。
音を量を表そうとするとき、強さ(intensity)と周波数(frequency)の2種類があります。
周波数というのは聞いたことがある人も多いかもしれませんね。
音というのは空気を伝わって移動していきます。
そのため、一点のある瞬間に音があるときとないときで気圧が変わります。
この変化する気圧を音圧と呼びます。
通常音圧の単位はPa(パスカル)と呼びます。
台風とかで中心の気圧が970hPa(ヘクトパスカル)だから今回の台風は強いんですよー!みたいなニュースみたりしませんか?
このパスカルちゃんです。
パスカルという単位は\(Pa=\frac{N}{m^2}\)に変換できます。
これは1平方mの場所に1Nの力が加わっているよーという状態ですね。
さらに\(\frac{N}{m^2}\)はbar(バール)という単位にも変換することができます。
$$1\frac{N}{m^2}=10μbar$$
1\(\frac{N}{m^2}\)が\(10μbar\)(マイクロバール)と等しくなります。まぁbarに関してはSI単位系じゃないので知らないでもOKですね。
このように音の大きさをである音圧を表す単位はPaや\(\frac{N}{m^2}\)、barなど色々な種類があります。
dBとその他音圧を表す単位との関係
Paや\(\frac{N}{m^2}\)が音圧を表す単位だということはわかりました。
いやいや、dBは?となりますよね。
書いてる途中でdB解説してないことに気づきましたわ。
Paはあくまで自然界の物理量を元に算出される値です。
それに対して音圧レベルを表すdBとは人間の感覚を考慮した物理量となります。
人間の感覚量は物理量の対数に比例するという性質があります。
そのため、dBは音圧Paの対数となります。
式にすると\(L=20\log_{10}\frac{P}{P_0}\)[dB]となります。
このとき\(P_0\)は基準音圧値と呼び、1kHzが聞き取れる1番小さい音\(2×10^{-5}\)Paです。
一気にわけわからんくなりますねー
ここで注意したいのはdBは対数だということです。
対数っていうのは指数の逆数で、ざっくりいうと何乗したらその数になりますかっていうものですね。
そのため、例えば20dBから40dBに音が大きくなりましたとなった場合、数値だけ見ると音圧が2倍になったように見えます。ですが、これは対数なので実際には10倍の音の大きさになっていることになります。
このようにdBをしっかり理解しようとすると結構数学的になります。
物理的な単位を考えるとdBとはそういうもんだと思っておけば大丈夫です!
音の大きさは音圧だけでは決まらない
dBは音の大きさを表す単位ですよーと説明してきました。
ですが実は音の大きさは音圧だけでは決まりません。
これは感覚値なので周波数や波形の影響も受けます。
同じ大きさの音でも周波数が違えば物理量としての音圧レベルは違うんですね。
私たちヒトは20Hzから20kHzの音まで感知できると言われています。
ただ、全ての周波数の音を同じように感知できるわけではありません。
例えパスカル大人になるとモスキート音って聞こえなくなるっていいますよね。
物理的には確かに音が存在していて、例えば80dBという音圧で鳴っていてもそれが鳴っていることに気づかないわけです。
このように感覚として音の聞こえる聞こえないは違います。なかなか理解するのが難しいですよね。
テレビの音量は単位ではない
よくうちのおじいちゃんおばあちゃんはテレビの音量を30で見ててうるさいとかそういうことを聞きます。
ですが、ここでいうテレビの音量というのは残念ながらなにかの基準に基づいた大きさではありません。
テレビや音楽プレーヤーなど、音量と呼ばれるものは数多くあります。
ですが、これはメーカーが設定した値で音量が1上がったら何dB音圧が上がるということは統一されていません。
そのため、こっちらのテレビでは音量30で聞こえるけどこっちのテレビでは音量が40でも聞こえないなんてことが起こります。
音量は目安であって、音の大きさを表すものではないと理解しておきましょう。
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