4年の1度のスポーツの祭典といえばオリンピック・パラリンピックですよね。
オリンピックは健常者のスポーツの祭典で、パラリンピックは障害のある人のスポーツの祭典です。
そんなパラリンピックには聴覚障害の部というものがないのには気づいていましたか?
実は聴覚障害はパラリンピックとは別にデフリンピックという聴覚障害者のすスポーツの祭典があります。
オリンピックやパラリンピックとは開催時期がずれていて、日本では残念ながらテレビ中継もされないほどマイナーです。
ですが日本代表としてオリンピックやパラリンピックと同じように選手が頑張っています。
ぜひデフリンピックについて興味を持ってもらい、選手の応援をしてほしいです。
個人的には聴覚障害がある子がいる普通学級の先生とかにも見てもらいたいですね。
体育や運動会など聴覚障害がある子と健常者がどうしたら一緒にできるかといったことを考えるヒントにもなるんじゃないかなぁと思います。
デフリンピックとは
デフリンピックはオリンピックやパラリンピック同様に4年に1度開催されるスポーツの祭典です。
夏のデフリンピックと冬のデフリンピックがあります。
夏の大会は1924年から、冬の大会は1949年からとどちらの大会もとても歴史が長いです。
パラリンピックの起源が1948年とされているので、パラリンピックよりも歴史が長いということになります。
名前の由来は耳が聞こえない人をろう者と呼び、ろうは英語でDeafと言います。そのため、Deaf+オリンピックでデフリンピックと呼ばれています。
なぜ聴覚障害はパラリンピックとは別なのか
元々デフリンピックはパラリンピックよりも早くに始まった大会でした。
パラリンピックというのはParaplegia+オリンピックからきている名称で、Paraplegiaは体に麻痺がある状態をいいます。
元々パラリンピックは車いすを使っている人の大会でした。その後視覚障害など別の障害を取り込み大きくなっていった大会です。
1995年までは国際パラリンピック委員会に所属していましたが、独自性を追求するために脱退しています。
そのため、聴覚障害者はパラリンピックには出れないんですね。
パラリンピックも日本ではかなり知名度は低かったんですけど、今ではオリンピックと同時期に開催されていることからかなり知名度が上がりましたね。
パラリンピック、デフリンピック以外にも知的障害がある人のスペシャルオリンピックという大会もあります。
デフリンピックの競技
デフリンピックは夏と冬があります。
夏は20競技、冬は5競技で次の通りです。
夏の競技
- 陸上
- バスケットボール
- バレーボール
- ハンドボール
- サッカー
- 柔道
- ビーチバレー
- バドミントン
- 卓球
- 水泳
- 水球
- テニス
- 空手
- 自転車
- ボウリング
- テコンドー
- 射撃
- レスリングフリースタイル
- レスリンググレコローマン
- マウンテンバイク
- オリエンテーリング
冬の競技
アルペンスキー
スノーボード
クロスカントリー
アイスホッケー
カーリング
オリエンテーリングとは
デフリンピックの夏の種目の一つにオリエンテーリングがあります。
オリンピックやパラリンピックでは聞かない競技ですね。
オリエンテーリングは地図とコンパスを使って、山などに設置されたポイントを指定された順番で通過していき、その速さを競う競技です。
和気あいあいとあーでもないこーでもない言いながら散策するようなイメージを持つかもしれませんが、走ってポイントを通過していくクロスカントリーのルートがないバージョンみたいなハードな競技です。
デフリンピックの参加資格
デフリンピックの参加資格は補聴器や人工内耳などの補助器具を使っていない状態(裸耳)で55dBを超えている必要があります。
また、各国のろう者のスポーツ協会に登録が必要です。
日本の場合は全日本ろうあ連盟スポーツ委員会というものがあります。
日本の聴覚障害による手帳の基準が6級で70dBなので、基本的に日本で聴覚で手帳をもらっている人は全員登録すればデフリンピックを目指すことが可能です。
もちろん代表になる必要があるので、登録すればだれでもデフリンピックに参加することができるわけではありませんけどね!
健常者のスポーツ選手の目標がオリンピックならば、聴覚障害の選手の夢はデフリンピックなわけです!
ちなみにデフリンピックは競技会場に入ったら補聴器や人工内耳を使うことができません。
競技中ではなく、会場に入ったらというところがポイントですね。
これは公平性のためだとされています。
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