難聴というと結構な人が親からの遺伝だと考える人が多いと思います。
私も難聴について勉強し始める前は漠然とそんなイメージを持っていました。
ですが実際のところ、先天的に難聴な子の8割は聞こえる両親から産まれているといわれています。
つまり新生児の難聴は遺伝的なものが多いというわけではないということですね。
新生児、つまり先天的な難聴について詳しく紹介していきます。
新生児の誰しもが先天的な難聴になりえる?
遺伝について詳しく知っている人はそれほど多くないと思います。
もちろん私も遺伝についてばっちり完璧に理解しているなんてことはありません。
ですが、子供に難聴が遺伝するんじゃないかと心配して、そりゃもう結構勉強しました。
結構ショックかもしれませんが、実は産まれてくる子供は誰しもが産まれながらにして難聴になる可能性を持っています。
というか難聴以外にもいろいろな障害をもって産まれてくる可能性があるのです。
よく遺伝子の突然変異とかって話を聞くと思います。
実はこの変異というものですが、私もあなたも遺伝子の変異があります。
まったく遺伝子の変異をせずに産まれてくる子供はいません。
数個から数十個の遺伝子に何らかの変異があります。
この変異している遺伝子が耳の形成に影響を与える遺伝子だった場合、難聴になる可能性があります。
もちろん、他の障害を持って産まれてくることもあり得るわけです。
そのため、先天性の難聴については、残念ながら防ぎようがないと思ってもらっていいと思います。
難聴の遺伝の仕組みについて
そもそも障害の遺伝については、親の障害が優性遺伝なのか劣性遺伝なのかにもよります。
例えば、難聴を引き起こしている遺伝子が優性遺伝の場合、子供に難聴が遺伝する可能性が高いでしょう。
もし、両親が難聴じゃなかったとしても、親が二人とも同じ劣性遺伝の遺伝子に変異があった場合、親は難聴じゃなくても子供は難聴になってしまいます。
このように難聴、もとい障害の遺伝はとても複雑で、私たちが騒いだところでどうにもならないことがほとんどです。
遺伝の仕組みについては”難聴は遺伝するのか 簡単な遺伝の仕組みについて“で説明しているので、ぜひ参考にしてください。
子供に遺伝しているかを調べる遺伝子検査
一応親の遺伝子検査をすることで、子供に難聴が遺伝するかどうかを調べることも可能です。
ただ、一般的な遺伝子検査では自分の障害が優性か劣性かまでわかるものはほとんどないと思います。
もし、心配であれば耳鼻科の先生に相談して紹介状を書いてもらうとか、そういうことができるか相談してみてください。
実際にうちは遺伝の検査をしていますよ。
遺伝子検査については”難聴の遺伝 遺伝子検査のメリットとは“で説明しています。
ぜひ参考にしてください。
まとめ
新生児の難聴について、心配する気持ちは痛いほどわかります。
ですが、私たち親がどうこうできる問題ではないのも事実です。
なかなか割り切れないとは思います。
でも少しでも子供が苦労しないように、情報を集めて早めに行動することも大切だとおもいます。
自分を責めてしまう気持ちはわかりますが、その分いっぱい愛情を注いで、元気に成長していきたいですね。
参考資料
岡山県新生児聴覚スクリーニングの現状と課題
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/47/4/47_4_379/_article/-char/ja/
当院における新生児聴覚スクリーニング後の精密検査
https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology1968/48/2/48_2_174/_article/-char/ja/
新生児聴覚スクリーニングから精密聴力検査へ
https://www.academia.edu/download/65325789/_pdf.pdf
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